Oumuamuaは宇宙人の探査機か?プレプリントサーバーとその活用法の紹介その5

OUMUAMUAというのを聞いたことがありますか?昨年発見された、人類がはじめて確認した太陽系外からの侵入してきた物体で、宇宙人がつくった宇宙探査機ではないかという説がささやかれていたものです。これに関する多くのプレプリントがプレプリントサーバーにアップロードされていますので、興味のある方は読んでみるのをおすすめします。Cornell大学のプレプリントサーバーarXiv.orgにアクセスして、oumuamuaで検索してみてください。50ほどのプレプリントがヒットします。

2017年10月にみつかったOumuamuaは、見つかった時すでに地球からは遠ざかっており、毎秒26 km/sという高速で太陽系に侵入して通過していったのですが、形がみえるほどの高解像度の望遠鏡はなかったので、望遠鏡ではその姿はとらえられておらず、光りかたなどからは幅:長さの比が1-5~10とみつもられているそうです。その起源は太陽系のオールトの雲由来ではなく、また近くの恒星系の外辺にある星(たとえばαケンタウリ)なの周辺にあるオールトの雲由来とも考えられないそうです。とても遠い宇宙からの来訪者のようでこれが彗星か小惑星かなど皆が注目して観測したそうです。光の反射などから推定されたその形は通常の小惑星や彗星のものではなく、とても明るい表面をもつ物体のようで宇宙人のつくった探査機かもしれないとうわさされていました。形の想像図はヨーロッパ南天天文台(ヨーロッパなんてんてんもんだい、European Southern Observatory、略称:ESO)の機関誌The Messenger の173に載っているRendezvous with `Oumuamuaという記事のp15をご覧ください。プレプリントサーバーの論文にもありますが、探査機なら電波を出しているのではないかということで、FM波長で電波が放出されていないかの観測がつづけられたそうですが、電波は検出できなかったとのことです。ただ面白いのは、太陽の重力だけでは説明できない、異常な加速がみられたとのことで、これがもし彗星などなら太陽の熱で氷がとけて尾をひいて加速したと思われるのですが、尾の形成もなくただ原因不明の加速がみられたのでした。このブログで紹介しているプレプリントサーバーをご覧になるとそれを説明する論文がだいぶ前に掲載されていたのがわかります。ハーバード大学のLoeb先生たちの論文で、Oumuamuaの加速は、日本のイカロスで実用化されたsolar sail(太陽帆)によって引き起こされたとすると説明が容易であるというのです。このプレプリントは最近、査読にとおってAstrophysical Journal Lettersという雑誌に発表されて、最近新聞やネットニュースで大きくとりあげられました。
著者はさらに多くのプレプリントをアップロードしていますが、その中で最近Scientific Americanのブログにも公開されたプレプリントは著者の考えをわかりやすく書いていておすすめです。

ブログには埋め込みできないようですが、以下の動画に Loeb先生のインタビューがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=WBekHr6nrU8

もしOumuamuaが宇宙人の探査機のようなものだったとしたら、それを追いかけて確認するというのも将来可能になるかもしれません。しかしもっと簡単なのは太陽と木星の重力にとらえられている宇宙人の作った人工物を探すことではないだろうかと書いています。太陽と木星の重力場は宇宙に張られた網のようなもので、この重力網にとらえられているであろう人工物(宇宙人の作った探査機など)を探すのが、電波で宇宙人からのメッセージを探すより手っ取り早いのかもしれないというわけです。Loeb先生たちはそのような物体の頻度を見積もる論文も最近プレプリントサーバーにアップしているようです。みなさんもプレプリントサーバーをいろいろ見て、活用してみてください。

Oumuamuaの論文は、アーサー・クラークの書いたRendezvous with Ramaという作品(「宇宙のランデヴー」という題で邦訳がでています)のラストシーンが思い起こさせます。またScientific Americanの記事のプレプリントを読むと、野尻抱介さんの「沈黙のフライバイ」のラストも思い起こされました。

秋のおすすめ本その1―量子生物学(1)

ノーベル賞の発表がはじまり、本庶佑先生が授賞されてみなが大喜びですね。秋も深まってきて福岡では農家の稲刈りも9割がた終わったようです。

量子生物学 Quantum Biologyというのを聞いたことがありますか?数年前にでた本でLife on the Edgeという面白い本があります。細胞生物学の授業で物理や化学専攻の2年生にお奨めと紹介した本です。日本語訳もされていて「量子力学で生命の謎を解く」(水谷淳訳、SBクリエイティブ発行)といいうタイトルで本屋に並んでいます。

動画は英国のRoyal Institutionでのこの本の著者の講演です。この本が出たときにはイギリスで大評判になり、ベストセラーとなりました。雑誌NatureやNew Scientistでも紹介されたほどです。Royal Institutionは、かのマイケル・ファラデーが「ロウソクの科学」などの講演をした場所ですが、様々な演者を呼んでの講演が常に行われており、講演は公開されています。YouTubeのチャンネルもありますので、ご覧ください。電車の待ち時間や通勤時間に視聴すると楽しいです。英語が聞き取りにくいときは字幕を表示させるとよくわかると思います。Royal Institutionでは評判の科学書の著者を読んで講演してもらうことも多く、この本もそうですが、ほかに例えばHow to clone a mammothという評判の本の著者のBeth Shapiroさんの講演など、本の内容がよくわかる講演がいろいろありますので、本を買う前に聞いてみてください。本を買わなくても良いかもしれないほど面白い講演が多いです。

さて量子生物学ですが、この本では酵素反応にプロトンのトンネル効果が働いて効率化に寄与していたり、コマドリの季節の渡り(地磁気を感知するコンパス)にコマドリの体内にあるクリプトクロームというタンパク質分子内の電子の量子もつれが利用されていたり、あるいは光合成中心への効率的なエネルギーの移動にexcitonとよばれる励起子が働いていたりという話が分かりやすく書いてあります。他に匂いの検知メカニズムにも量子効果が働いているという仮説(反論の論文もでています)もあって、読んで大変面白い本です。物理や化学を学んでいる学生さんに特に薦めます。

著者の主張は「生命は量子効果を利用して維持されており、生きているということは量子効果が利用されている状態、死ぬとそれがなくなるということで、まさに量子効果の働く境界で生命が存在している」というものです。光合成の反応中心では量子コンピューターが働いているという論文の紹介もあります。その論文をみて一時間もかからずその間違いがわかったというMassachusetts Institute of Technologyの先生の講演が一番下の動画です。この有名な量子コンピューターの権威Seth Lloyd教授は、自分のラボで量子生物学を研究しているそうです。九州大学の生物学科の教授だった西村光雄先生は留学中、光合成細菌の光合成でのチトクロームの酸化における電子移動が液体窒素の温度でも起こることを発見した論文を有名なBritton Chance先生との共著で書かれました。続く研究でChance先生は液体窒素の温度やそれ以下の温度まで冷却すると100K(ケルビン)以下では電子移動が温度に依存しなくなることを発見、光合成における電子移動には量子トンネル効果が介在していることを示唆する論文を書かれています。西村先生の実験の話はこの本の第3章(翻訳書の98ページ)にのっています。九州大学にも量子生物学の研究室はありますし、最近は大阪大学でもこんな研究がたちあがっています。分子生物学会のワークショップでも量子生物学がとりあげられるなど、面白い研究分野になりそうです。

 

プレプリントサーバーとその活用法の紹介4―最新情報の追加です

このブログではプレプリントサーバーの活用について紹介してきました。いつも多数のアクセスありがとうございます。写真は近所でみかけたくずの花です。秋も深まってきました。

何度もNIHのVideoCastを紹介していますが、数日前に米国のポスドクの現状とポスドクとしての能力、存在感をアピールするのにプレプリントを発表することが薦められるという講演があったので紹介しておきます。Jessica PolkaさんのNIHでの講演で、米国のポスドクの現状、最初のfirst author(筆頭著者)の論文を発表するのに要する期間が、これまでになく長くなっており、論文が少ないので研究費を獲得したり、次の職を得るのに困難を覚えるポスドクが増えているのに対する対策、そして査読する能力をどのように向上させるかなどを扱っている、興味深い講演でした。
講演のスライドはここをクリックするとダウンロードできます。Google documentに保存してあるのでFirefoxではうまくいかないので、Google のブラウザChromeかInternetExplorerでアクセスしてください。青字で閲覧のみとか書いてありますが、スライドはダウンロードできます(開いたページの「ファイル」をクリックして開き、「形式を指定してダウンロード」を選んで、Powerpointやpdfなど好きな形式でダウンロードしてください。講演は高画質でダウンロードできますので、たとえば1240kの高画質でダウンロードして、適当なメディアプレーヤーでみればゆっくり講演を聴講できますのでお試しください。ハイビジョンの高画質のムービーでもみられるメディアプレイヤーとして、私はMPC-BEというフリーソフトを使っています。

JessicaさんはASAPbio(エイサプバイオ)という組織―ASAPbio (Accelerating Science and Publication in biology) is a scientist-driven initiative to promote innovation and transparency in life sciences communication. We are a 501(c)3 nonprofit incorporated in the state of California―に属していてプレプリントの利用を推奨するとともに、ポスドクのキャリアパスについても研究している方です。

講演にもありますが、論文に要求されるデータ量が激増していいます。それで昔は4年の大学院(米国の例)の場合、平均3-4年で筆頭著者の論文first author paperがでたが今では平均4-5年と論文の出版が遅れるようになっているようです。これは論文として出版されるために必要な実験量が昔の倍以上になっていることも原因であり、以下の論文で具体的に実証されています。論文中の実験量は図のパネルの数―つまりFig. 1A, Fig. 1B,. Fig. 1Cなどどある場合のA,B,Cなどの数―を数えてそれにTableの数などを加えて算出してます(註1)。下の論文やこのビデオをみてもらうとデータがありますのでご覧ください。実験量が増えたことで、論文として完成するのに時間がかかり、ポスドクや院生が論文をだすのが遅くなってしまうわけです。これは日本で多い5年プロジェクトなどでも経験しますが、ポスドクや院生や研究者にとって深刻な問題です。それをどうして救うかというのがこの講演の内容です。プレプリントを活用できるというのがこの講演の一つのメッセージです。(註1:私見ですが、さらにグラフの場合、統計処理するためサンプルのサイズN=30とかになることがよくありますので、一つのパネルといってもそこには本当に多数の実験が繰り返されている場合があり、これをカウントするともっと実験量が増えると思います)。

Accelerating scientific publication in biology
Ronald D. Vale

プレプリントのメリットは、いろいろあります。
メリットその1) 去年あたりから、グラントの申請や業績報告書にプレプリントを掲載することができる組織が激増しています。つまり就職活動や研究報告、新しい研究費の申請のときに、業績としてプレプリントが使えるようになっているわけです。
日本の方に関係あるところでは
Human Frontiers Science Program (December 12, 2016)でもプレプリントが利用できます。“The Board of Trustees of the International Human Frontier Science Program Organization (HFSPO) has decided that for competitions starting in calendar year 2017, applicants may list preprint articles in the publication section of HFSP proposals. Current HFSP awardees are also permitted to cite publications which are deposited in freely available preprint repositories in interim and final reports to the Organization.”

といった具合です。Wellcome Trust , MRCやNIH, HMMIなど大手のグラント母体もそういう方針になっています。これもASAPbioのページにリストがあります。

プレプリントについては以下のページ(ここをクリック)がまとまっています。またpreprintについて投稿してみた人の経験がこのリンクに動画と画像で紹介されています。

プレプリントサーバーは以前にも紹介しましたが、最新のプレプリントサーバーのリストがありますのでご覧ください。Research Preprints:ServerListというページです。

ここにリンクがあります。

メリットその2) プレプリントを公開すると学会の講演のように、研究者の存在感を示すことができます。

メリットその3) フィートバックがくるので論文を改善できます。bioRxivの場合は10%ほどにコメントがつくようです。他の人にコメントをみられたくないという人も多くて、そんな人は著者にemailしてきたり、twitterやFacebookなどのSNSでコメントをくれるようです。プレプリントサーバーのコメントは公開前にチェックが入っているので炎上とかなないようです。

メリットその4) 雑誌の編集者はプレプリントをみていますので、プレプリントをみてうちの雑誌に投稿してくださいといってくることinvitationも結構あるそうです。(PLos GeneticsやProc. Royal Society Bなど)

メリットその5) 研究の早い段階でプレプリントをみて連絡してくる共同研究者が見かる例も多いそうです。

メリットその6) いつどんな研究をしたかを、公開のプレプリントサーバーに記録としてのこせる(doiもプレプリントに付与されますし、プレプリントの引用を許している雑誌も増えています)上に、バージョン管理もできる。

メリットその7) 就職や研究費(グラント)申請の時、研究者としての生産性を示すことができる。これは上にも述べました。今までは論文を投稿してからアクセプトされるまでは業績や研究成果に載せられないことが多かったのですが、プレプリントを業績として認める組織が増えているので大きなメリットです。

メリットその7) そしてなによりも発見を加速させることができるのが最大のメリットでしょう。

では不安点はというと:
I’m going to get scooped!というのが最大の不安なのではないでしょうか。しかしこれは簡単にはやれないと思われます。論文の内容をプレプリントでみて、それをもとにもっとよい論文を書くというのですが、これをやるのはほぼ不可能だと思います。アイデアとか実験とかはプレプリントに書かれており、投稿日もバージョンも公開されているので剽窃は困難です。アイデアや方法、結果のクレジットを早々ととって、研究成果を共有するメリットのほうがいまや大きくなってきているようです。物理とかコンピュータサイエンスの分野でのプレプリントの経験から、scoopするのが困難でリスクをともなうことは明らかなことだと思います。その他の考える不安点も講演で議論されていますのでご覧ください。

どの雑誌がプレプリントへの投稿前の掲載を許可しているかは、ここをごらんください。

またプレプリントの雑誌会というのもネット上にいろいろあるのでその紹介やレフリーのコメントなどを公開する動きが加速しているという話も講演にあります。

夏休みおすすめ本 その2 細胞生物学とLinux入門のブルーバックス、そしてゲノム編集

試験が終わって夏休みを満喫している学生さんも多いかと思います。新学期が始まる前によんでみるとよい本をいくつか紹介しておきます。まず

1) ブルーバックスの「細胞の中の分子生物学 最新・生命科学入門」(森 和俊 著)は、私の大学二年生向けの細胞生物学の講義の参考書に紹介していましたが、とてもわかりやすい本で、生物学専攻でない物理や化学専攻の大学1,2年生におすすめの入門書です。もちろん生命科学関係の学生にもおすすめで、私のラボの院生も読んでとても参考になったといっていました。

2) ブルーバックスでもう一冊のお勧めは、「入門者のLinux 素朴な疑問を解消しながら学ぶ」(奈佐原 顕郎 著)です。こちらも生物学演習の学生さんに薦めていましたが、linux入門には最高の本だと思います。なぜlinuxが必要かというところからはじまって、最後は気象衛星ひまわりの画像をダウンロードして画像をつなげてムービーをつくるところまで勉強できます。私も読みながらコマンドを実行しながら読み進んでいくと、ちゃんとムービーをつくることが出来ました。ubuntuのlinuxを使えばコマンドもすべて本のとおり打ち込めば実行できますので是非お読みください。以下の講演会(平成27年度NGSハンズオン講習会)のビデオ、テキストをみれば、biolinuxをvirtualboxでwindowsにインストールして動かし、この本の実習を行えるだけではなく、簡単なバイオ系ソフトをlinuxで動かしてみることもできます(リンクの事前予習資料一覧のpdfから始めてください。インストールの仕方のスライドもリンクにあります。丁寧なスライドですのでだれでもbiolinuxがインストールできます)。biolinuxをインストールするやり方は詳細にこのページのリンクにありますので、そのとおりやれば簡単にできます。ただしハードディスクの空容量は十分確保してからはじめてください。平成27年度の講演会では、シェルスクリプト入門、pythonやperl入門、Rの入門などいろいろな講義が動画とテキスト付で公開されています。私も通勤電車のなかで全部視聴して大変勉強になりました。その後の講習会は段々と上級者向けへ内容がシフトしていますのではじめるなら27年度の講習会からかなと思います。

このブルーバックスをbiolinuxを動かしながら読んでいくときの注意点です。
biolinuxではこの本の285ページのコマンドは作動しません。この本はシエルがbashなのですが、biolinuxはシェルがzshなのが原因です。これはzshがdirectoryの中身を探しにいっていないのでno matchというエラーを返してくるのです。コマンド実行前に、、biolinuxで
setopt nonomatchとうって実行しておくと、285ページのコマンドもbiolinuxで動きます。zshとbashの違いについてはたとえばここに詳しく書かれています。

3) これも分子発生学の講義などで紹介した本ですが、CRISPR-Cas9によるゲノム編集の開発者の一人、さんが書いた本 「CRISPR(クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見」(ジェニファー・ダウドナおよび サミュエル・スターンバーグ著)もおすすめです。ゲノム編集の開発だけでなく、その正しい応用を目指すスタンスが強調されているとてもわかりやすい本です。組織特異的にゲノム編集をするのはどうしたらよいのかなども紹介されていて、ゲノム編集について考えるための必読文献です。Doudnaさんの講演はいっぱいネットにありますがたとえば去年のこの動画などはいかがでしょうか。バクテリアの獲得免疫システムとして働いているCRISPRの概観と、ウイルスがanti CRISPRタンパク質を使ってそれから逃れるといった最新の話題もとりあげられています(2017年の講演)。英語字幕をYouTubeでオンにしたら聞き取りやすいと思います。

もっと新しい講演は以下のものです。

ことし6月のThe Croonian Medal Prize Lectureでの講演です。英国王立協会の由緒ある賞the Croonian Medal and Lecture 2018の受賞講演です。これもYouTubeで字幕オンでみるとよいでしょう。

 

夏休みおすすめ本 その1―宇宙線を観察してみよう

夏休みの自由研究に霧箱をつくってみませんか。

町の図書館にいってみると新しく入った本の中に、「きみは宇宙線を見たか: 霧箱で宇宙線を見よう」 山本 海行 (著), 小林 眞理子 (著)―仮説社という本があったので早速借りて読んでみました。昔からつくってみたかった霧箱の簡単な作り方が載っていました。ドライアイスを含めて必要な材料の入手法と作り方が丁寧に書かれていてさらに、宇宙線や放射線、原子の話までわかりやすく書いてあるので夏休みの自由研究におすすめの本でした。著者のホームページ(うみほしの部屋)にいってみると、霧箱実験室のコーナーには霧箱の作り方がいろいろでていますし、今日いってみると新しく空き缶でつくる霧箱の作成法などものっているので是非、訪問してみてください。ホームページには福島の放射線の測定結果などものっていて動画も満載のとても読み応えのあるおすすめのホームページです。
冒頭の動画は山本さん、小林さんの本にも紹介してありますが、名古屋大学理学研究科・素粒子宇宙物理系F研 基本粒子研究室のホームページにある高感度霧箱動画のYouTube版です。霧箱の作り方や関連情報もいろいろでていますので、是非こちらのホームページ(上の動画ページへのリンクや素粒子の飛跡の写真も満載です)にもいってみてください。

写真は近くの山で撮った夕日に照らされて鳴くヒグラシです。ちょっぴり秋の気配も感じられますが、まだまだ暑い福岡です。

夏休みおすすめソフト(1):無料で最強の統計ソフト RやRStudioを使ってみよう!インストール法とパッケージがインストールできないとき。

夏休みのおすすめソフトを紹介します。統計学の重要性は「統計学が最強の学問である」(西内啓 著)という本をきっかけに、ビジネスの世界にも広く認識されたようです。この本で、はじめて一般化線形モデルという言葉がひろく紹介されたと思います。本屋にいってみるとR(アール)という統計ソフトの入門書や専門書がたくさんならんでいて、このソフト(無料で、統計解析では最強のソフトです)が広く使われていることがわかります。MacでもLinuxでもWindowsでも動くソフトで、有料の統計ソフトをしのぐソフトですので、ますますこれからも使われていくと思います。私も学生さんにRとPythonとLinuxを勉強しておくと将来絶対必要になるので早めに学ぶことをすすめていました。生物系では統計学は必須ですし、バイオインフォマティクスや次世代シークエンサーのデータ解析にもRは大活躍しています。今ではRのパッケージのR commanderや日本の神田善伸先生(自治医科大学)が開発されたEZR(これも大評判になってRのパッケージになりました)がありますので、グラフィカルインターフェースでRを使うことができて、初心者にもやさしいソフトとなりました (これらはRをインストールしたあと、パッケージとして追加インストールして使います。EZRはR commanderの追加プラグインになっています。インストールするとどちらも日本語で使えます。EZRを中心に使いたい場合は開発者の神田先生のサイトからダウンロードして使うのもおすすめです)。また、RStudioというRの統合開発環境ソフトを使えば、Rをもっと便利にスムーズに利用することができるようになったので、Rはますます便利で使いやすくなっています。

Rをインストールするのは簡単で、まずCRANというサイトにいって、ダウンロードサイトから自分のコンピュータに応じたRのインストーラーをダウンロードします。Mac版、Linux版もありますし、Windowsの場合はここから、最新版のR 3.5.1をダウンロードして、インストールできます。
Download R 3.5.1 for Windows (62 megabytes, 32/64 bit)という部分をクリックしてダウンロードして、インストールしてください。インストールする場所はデフォルトでよいですが、空きの多いドライブにするのもよいでしょう。インストールが終わったら、とりあえず起動ができることを確認してください。

Rのインストールが無事終わったら、続いて、RStudioをインストールしましょう。ダウンロードページをひらいて、Rstudio Desktop Open Source LicenceのDownloadボタンを選んでダウンロードします。windows版、Mac版、ubuntuやfedra用のlinux版があります。自分のOSにあったものをダウンロードしますインストールは簡単ですぐ終わるので終わったらRstudioを起動してください。RStudioを使ってRを使い始めるのも良いと思います。
Rstudioの使い方については、統合TVのビデオ
あるいはそのYouTube版をみてください。

とてもわかりやすいです。
もっと新しいMac版のRStudioの使い方ビデオもあります。Windows版でもほとんど同じですのでこれも参考になります。

その他、RやRstudioの使い方については、YouTubeで検索するといろいろなサイトがでてきます。後日、いくつかサイトを紹介する予定です。(9月17日追記、RstudioにRコマンダーとEZRをインストールする方法については続きの記事→ここをご覧ください!)

さて、昨日からRでの統計解析をしようとパッケージのダウンロードをRStudioで行おうとしたのですが、うまくいきませんでした。以下はその解決法です。

症状エラーメッセージ(以下を参照)がでて、R やRStudioはちゃんと起動しているが、あらたにパッケージがインストールできない。RstudioからでもR本体(64ビット版でも32ビット版でも)からでも同じことでエラーがでてパッケージのインストールができない。Rのメニューの「パッケージ」から「CRANミラーサイトの設定」を選んでTokyoなどのミラーサイトを選ぶと、コンソールに以下のようなメッセージがでてパッケージがインストールできない。ネットにはつながっているようで、httpsでなくhttpのミラーを選べば、ちゃんとサイトに接続できて、パッケージをインストールできることがわかった。一台のパソコンだけでこの症状がでているので、たぶんネット関係の設定がおかしいのだろうとは思いましたが、原因は不明でした。以下がエラーメッセージです。
> chooseCRANmirror()
警告: failed to download mirrors file ( URL ‘https://cran.r-project.org/CRAN_mirrors.csv’ を開けません ); using local file ‘C:/PROGRA~1/R/R-3.5.1/doc/CRAN_mirrors.csv’
警告メッセージ:
download.file(url, destfile = f, quiet = TRUE) で:
InternetOpenUrl の失敗: ‘失効サーバーに接続できなかったか、最終応答を取得できませんで(以下略)

解決策を探す:
Google検索を、failed to download mirrors file ( URL ‘https://cran.r-project.org/CRAN_mirrors.csv’ でやってみると、たとえばここのペーに同じようなトラブルに見舞われた人が質問していて、それに対する解決策がでていた。症状もhttpならOKでhttpsではだめだというので同じ。R consoleからネットにつながるのも同じだが、どうやらproxy設定とかが問題らしい。Firefoxの設定をInternet Explorerに反映させれば解決すると書いてあるだけで、あと一歩、親切に書いてない。プロキシは使っていないし、ファイアウオールを切っても症状はかわらないし、もちろん Rをクリーンインストールしてもだめだったし…。ちょっと途方にくてしまいました。

解決策がみつかった:
気分を変えて、今度はエラーメッセージの後半
「InternetOpenUrl の失敗: ‘失効サーバーに接続できなかったか、最終応答を取得できませんで」を使って検索すると12057エラーというのが起こっていることがわかりました。その対策はここの記述によると「Internet Explorerで「ツール」→「インターネットオプション」→[詳細設定] タブ の中にあるセキュリティセクションにある- “サーバーの証明書失効を確認する” と “発行元証明書の取り消しを確認する” のチェックを外します。 Internet Explorer を再起動し、上記変更が反映されているか確認します。」(野村がわかりやすいように一部を追記改変) だそうで、このとおりすると解決しました。

上の二つのチェックボックスうち、最初の“サーバーの証明書失効を確認する” のチェックを外すだけでよさそうで、これでパッケージが無事インストールできるようになりました。また同様のことが起こった時の解決用のメモとして記事にしておきます。

写真は前と同じところで撮影したアメンボです。まだ元気に何匹も泳ぎ回っています。

糖鎖科学の最新のビデオの紹介です―NIH VideoCast

NIHのビデオキャスト糖鎖科学デーの講演会のビデオがアップロードされています。NIHのvideocastingはNIHで公開されている講演会をビデオでみられるサイトです。ビデオのダウンロードやキャプションファイル(字幕ファイル)のダウンロードもできます。
またNIHのpodcastもあってこちらでは、videocastとaudiocast が見たり聞いたりできますので携帯とかでみるのに便利です。

2018 NIH FDA Glycoscience Research Dayというのが、本年7月13日に開催されており、そのビデオです。この糖鎖科学の講演会と研究発表会の催しは去年も開催されており、そのビデオの内容は私の去年の九大での糖鎖科学の講義にも活用させてもらいました。今年はどんな内容なのか楽しみです。皆さんも是非ご覧ください。

ビデオはダウンロードすることができますし、画質も選べます。ビデオの掲載されているページにある下のようなリンクをクリックするとダウンロードできますので、やってみてください。このビデオは5時間ちょっとの講演会の記録になっています。英語が聞き取りにくい方は、キャプションファイルもダウンロードできますので便利です。

To download this event, select one of the available bit rates:
[64k]  [150k]  [240k]  [440k]  [740k]  [1040k]  [1240k]  [1440k]  [1840k]

生命科学系の英語の講演会のサンプルとしても使えますので、自分で英語で講演するときの参考にもどうぞ。またスライドがビデオにうつっていますが、高解像度のビデオをダウンロードすれば、字も絵もきわめて高画質でみられますのでとても便利です。この記事は高画質版をダウンロードしながら書いています。 (今終わりました。1.5Gのサイズだと40分弱かかりました。)

毎日暑いです。写真は車で夕方涼みにいったダムからみた博多湾です。ひぐらしが鳴いてとてもきれいな公園でした。

アインシュタイン博士が訪れた九州大学と福岡(その2)―アインシュタインの旅日記の謎

アインシュタインの旅日記の謎―なぜアインシュタインは福岡を訪れたのか

今日はものすごい豪雨でしたが、先週の土曜日(6月30日)には九州大学医学部キャンパスにある百年講堂で開催された日本生化学会九州支部会のシンポジュウムで話させてもらいました。若い学生さんたちがいっぱいで熱気にあふれてとても楽しいひと時を過ごさせてもらいました。私達は長い間 この九州大学医学部キャンパス(馬出キャンパス―まいだしキャンパスと読みます)で研究していたので、懐かしい場所です。九州大学医学部キャンパスにはいろいろな見どころがあります。詳しく書いてあるホームページを見つけましたのでここにリンクを張っておきます。以前紹介したMr.トルネードのときもこの西日本シティ銀行の「ふるさと歴史シリーズ「博多に強くなろう」」を紹介しました。いろいろ福岡のことがわかって楽しいシリーズです。そのNo.79の「九州大学医学部のきらめく博士たち」という記事です。医学部キャンパスの詳しい紹介と地図もあって、とても面白いのでご覧ください。

さてその記事の中に、アインシュタインが福岡にくることになったいきさつが書かれています。アインシュタインの旅日記という英語版の本

The Travel Diaries of Albert Einstein The Far East, Palestine, and Spain, 1922 – 1923

が最近出版され、日本についてのとても好意的な意見が書かれていて話題になっています。これは当たり前でしょう。

1922年改造社の招きに応じたアインシュタインが日本にくる船中で血便が出る下痢と発熱の症状を訴えたとき、アインシュタインの奥さんElsaが、乗り合わせていた日本人の医師に治療をたのんだそうです。癌を心配していたそうですが、医師の診断は感染症ということで、医師の薬と治療で完治したのでした。ドイツ語を話すその医師の名は三宅 速(みやけ はやり)。九州大学医学部の外科学の教授、日本外科学会会長で国際外科学会役員、ヨーロッパに何年も滞在して医師として長く働いたことがある方でした。すぐに友人となった三宅医師にアインシュタインは日本訪問の際はかならず福岡の三宅さんのお家をたずねると約束。日本での講演旅行の行先に福岡が加えられたのだそうです。アインシュタインは福岡での講演会のあと、九州大学を訪問、そして三宅さんのお家でウイーンから運ばれてきていたピアノを弾いたとのことです。
三宅さんは何故、アインシュタインと同じ船に乗っていたのでしょうか。ポーランド版のWikipediaの記事によると、第一次世界大戦のあと、国際外科学会は大戦勃発の原因となった敵国であり敗戦国のドイツとオーストリアを学会から締め出す決定をしたそうです。三宅先生は国籍で外科医をしめだすというのはおかしいと主張して、反対の署名集めに奔走、アメリカやヨーロッパを訪問して多くの署名を集めました。その結果、世界的に著名な医学者の賛同署名があつまりました。有名なMayo クリニックの創始者のWilliam James、 Charles Horace兄弟、ボストンのCushing, セントルイスのGrahamなどの署名を含む集まった署名は学会を動かしたそうです。そうした活動の帰り道に乗船した北野丸にEinstein夫妻が偶然 同乗して日本へ向かっていたのです。

三宅先生はその後、もう一度ヨーロッパでアインシュタインと再会、旧交をあたためたそうですが、1945年、米軍の空襲で、岡山の防空壕に避難していたところを殺害されました。芦屋に住んでおられた三宅先生と奥様の三保さんを、息子さんが岡山の自宅に呼び寄せ、鳥取へ疎開する2日前のできごとだったそうです。

戦争が終わった後、息子さんがプリンストンにいたアインシュタインにご両親の死を連絡して墓碑銘へのメッセージをお願いしたところ、ドイツ語と英語のメッセージが届いたとのことです。そのメッセージはタイプうちされていたそうですが、沢山届けられていたアインシュタインの直筆の手紙から一字一字選んで肉筆のメッセージに変換、拡大して三宅先生のお墓に刻まれています。先生の出身地徳島県美馬市にあるお墓については美馬市の作成した動画がYouTubeにありますのでご覧ください。

Hier ruhen Dr. Hayari Miyake und dessen Frau Miho Miyake.Sie wirkten vereint für das Wohl der Menschen, Und schieden vereint als Opfer von deren Verirrungen.
Albert Einstein
この墓碑銘の翻訳は上の動画、あるいは西日本シティ銀行の記事にありますのでご参照ください。

以上の記事は西日本シティ銀行にある記事と、ポーランド語版のHayari Miyakeの記事オランダ語版の美馬市の記事に基づいてまとめました。どちらの記事もGoogle 翻訳(たとえばポーランド語を英語に翻訳して読みました。日本語への翻訳は英語への翻訳にはるかに劣ります)で読んだので間違っているところがあるかもしれませんので間違いはご容赦ください。詳しくは、九大図書館の蔵書にも、お孫さんが書かれた「アインシュタインからの墓碑銘」という本
lがあります。市販されておりますので是非お読みください。

 

湖でボートが出火!消防が来るのには25分はかかる状況下での消火法とは?

今日は有名なビデオを紹介しておきます。ラボ内ホームページで学生さんに紹介していたビデオですが、twitterでも話題になったニュージーランドの湖での火災消火のビデオです。ビックリする方法ですよね。ボートには燃料タンクが積んであったそうで、危機一髪だったそうです。

別の角度からみた動画もここにあります。とっさの頭の使い方の例です。
この事件を報じたニュージーランドの報道はここにあります。消火にいったボートにとっても危険な救助法で、もっと大惨事になったかも、という批判もありますが、
But Riwai Grace, a shift manager at one of New Zealand’s Fire Service communications offices, said he thought the rescue was “ingenious.”だそうです。

下の写真は散歩の途中でみかけた ねむの木です。梅雨の晴れ間にきれいに花が咲いていました。

 

ライフサイエンス辞書のコーパス活用法の動画がでています

ライフサイエンスディクショナリーのページに、「ライフサイエンス辞書・英語共起表現の活用法(広島大学ライティングセンター・河本健」が紹介されていました。まだみていませんが、とても役立ちそうです。こちらには河本先生のコーパスについての解説もあります。

近所のキンランは、合計5株花が咲いています。すこし画質のいい写真をならべておきます。