Oumuamuaは宇宙人の探査機か?プレプリントサーバーとその活用法の紹介その5

OUMUAMUAというのを聞いたことがありますか?昨年発見された、人類がはじめて確認した太陽系外からの侵入してきた物体で、宇宙人がつくった宇宙探査機ではないかという説がささやかれていたものです。これに関する多くのプレプリントがプレプリントサーバーにアップロードされていますので、興味のある方は読んでみるのをおすすめします。Cornell大学のプレプリントサーバーarXiv.orgにアクセスして、oumuamuaで検索してみてください。50ほどのプレプリントがヒットします。

2017年10月にみつかったOumuamuaは、見つかった時すでに地球からは遠ざかっており、毎秒26 km/sという高速で太陽系に侵入して通過していったのですが、形がみえるほどの高解像度の望遠鏡はなかったので、望遠鏡ではその姿はとらえられておらず、光りかたなどからは幅:長さの比が1-5~10とみつもられているそうです。その起源は太陽系のオールトの雲由来ではなく、また近くの恒星系の外辺にある星(たとえばαケンタウリ)なの周辺にあるオールトの雲由来とも考えられないそうです。とても遠い宇宙からの来訪者のようでこれが彗星か小惑星かなど皆が注目して観測したそうです。光の反射などから推定されたその形は通常の小惑星や彗星のものではなく、とても明るい表面をもつ物体のようで宇宙人のつくった探査機かもしれないとうわさされていました。形の想像図はヨーロッパ南天天文台(ヨーロッパなんてんてんもんだい、European Southern Observatory、略称:ESO)の機関誌The Messenger の173に載っているRendezvous with `Oumuamuaという記事のp15をご覧ください。プレプリントサーバーの論文にもありますが、探査機なら電波を出しているのではないかということで、FM波長で電波が放出されていないかの観測がつづけられたそうですが、電波は検出できなかったとのことです。ただ面白いのは、太陽の重力だけでは説明できない、異常な加速がみられたとのことで、これがもし彗星などなら太陽の熱で氷がとけて尾をひいて加速したと思われるのですが、尾の形成もなくただ原因不明の加速がみられたのでした。このブログで紹介しているプレプリントサーバーをご覧になるとそれを説明する論文がだいぶ前に掲載されていたのがわかります。ハーバード大学のLoeb先生たちの論文で、Oumuamuaの加速は、日本のイカロスで実用化されたsolar sail(太陽帆)によって引き起こされたとすると説明が容易であるというのです。このプレプリントは最近、査読にとおってAstrophysical Journal Lettersという雑誌に発表されて、最近新聞やネットニュースで大きくとりあげられました。
著者はさらに多くのプレプリントをアップロードしていますが、その中で最近Scientific Americanのブログにも公開されたプレプリントは著者の考えをわかりやすく書いていておすすめです。

ブログには埋め込みできないようですが、以下の動画に Loeb先生のインタビューがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=WBekHr6nrU8

もしOumuamuaが宇宙人の探査機のようなものだったとしたら、それを追いかけて確認するというのも将来可能になるかもしれません。しかしもっと簡単なのは太陽と木星の重力にとらえられている宇宙人の作った人工物を探すことではないだろうかと書いています。太陽と木星の重力場は宇宙に張られた網のようなもので、この重力網にとらえられているであろう人工物(宇宙人の作った探査機など)を探すのが、電波で宇宙人からのメッセージを探すより手っ取り早いのかもしれないというわけです。Loeb先生たちはそのような物体の頻度を見積もる論文も最近プレプリントサーバーにアップしているようです。みなさんもプレプリントサーバーをいろいろ見て、活用してみてください。

Oumuamuaの論文は、アーサー・クラークの書いたRendezvous with Ramaという作品(「宇宙のランデヴー」という題で邦訳がでています)のラストシーンが思い起こさせます。またScientific Americanの記事のプレプリントを読むと、野尻抱介さんの「沈黙のフライバイ」のラストも思い起こされました。

テキストデータをどんどん蓄積していくソフトの紹介その3―詳しいTextclipperのclipfileツールの使い方です

前に紹介したTextClipperのクリップツールの一つclipfileを作者の吉村隆樹さんがバージョンアップしてくださいました(2018/11/28)。前のバージョンを使っている方は新しいバージョンにしてください。ここからバージョンアップ版をダウンロードして解凍してできたclipfile.ctaファイルをtextclip7962フォルダ中に上書き保存するだけです。以前のバージョンでは保存日時の年号が正しく入らなかったのですが、今回のバージョンアップで2018がちゃんと入るようになりました。吉村さんによると典型的な2000年問題だったそうです。バージョンアップをお願いして数時間で新バージョンを作ってアップロードしてくださいました。吉村さん、どうもありがとうございました。

以下では先日紹介したTextClipperのクリップツールclipfileの使い方をもうすこし詳しく紹介しておきます。
1)まずTextClipperをここからダウンロードしてダウンロードしたzipファイルを解凍してください。解凍してできたフォルダがtextclip7962という名前になります。このフォルダはProgram Filesのフォルダには入れないでください。入れると動きません。このプログラムを使用するには7-zip32.dllが必要です(バックアップ時)のでここから取得してください。

2)ここまでの作業でtextclip7962というフォルダができました。バージョン番号がフォルダ名になっていますね。TextClipper本体はこのフォルダの中にあるtextclip.exeです。これをダブルクリックするとTextClipperが起動します。このソフトの使い方については

http://www.hi-ho.ne.jp/makoto_watanabe/tc/index.html などをみてください。

では次にclipfileというクリップツール(TextClipperの機能拡張のようなものです)をインストールしましょう。これはブラウザにかぎらずMS WordやAcrobat Readerで表示しているpdfファイルなど、任意のソフトで表示しているテキストを選択し、それを規定の名前のテキストファイルTc_txt.txtに次々と保存できるツールです。
一つのテキストファイルに、保存日時と出典、および保存時に追加できる任意のキーワードとともに保存してくれます。新しくクリップしたテキストはもとのテキストファイルの末尾に追加されます。これを使うと、ネットサーフィンで見つけたテキストをキーワード付きでテキストファイルで保存できますので、あとで秀丸など適当なテキストエディタでgrep検索して簡単に探し出すことができます。保存するときに将来検索の時に思いつきそうな、選択したテキストには含まれないキーワードを追加しておけるので、後々の検索時に探しもれが少なくなるのもこのツールの便利な点です。

3)では、clipfileを使えるようにしましょう。
以下のurlからクリップツールのclipfileを選んでダウンロードします。
http://takaki.la.coocan.jp/freesoft/textclipper/
ここをクリックしてダウンロードしてもいいと思います。clipfile.zipがダウンロードできますので、前に紹介した7-Zipなどのソフトで解凍します。解凍してできたclipfile.ctaというファイルを上の2)でできたtextclip7962のフォルダにドラッグして移動させます。これでclipfileを使う準備ができました。

4)TextClipperを起動して、clipfileを使ってみましょう。
まずTextClipperを起動します。

上の図のヘルプの左にある、環境設定を選び、

開いてでてくるメニューでクリップツールキーをAlt+cなど好きなキーの組み合わせに設定します。

これでAlt+Cを押したらクリップツールが動くように設定できました。

5)では、実際にテキストを適当に選んでスクラップブックのようにテキストファイルに保存してみましょう。
まずTextClipperを起動しておいてください。そのあと、ブラウザなどで適当なサイトを訪れて、保存したいテキストを選択し、さっき決めておいたクリップツールキー(Altをおして同時にCを押す)を押します。すると下の画像のようにポップアップメニューが開いて一番上に「TextFileに追加」がありますのでこれを選択します。
するとキーワード入力のポップアップ画面が開きますので、あとで検索に便利なキーワードを入れます。複数入れても構いません。自由に入力しましょう。

保存ボタンをおして完了です。Tc_text.textという名前のファイルに上の選択した部分が出典の一部、日時、キーワードとともに保存されているはずです。

ではうまく保存できたかどうかをtextclip7962フォルダ内にできているTc_txt.textというファイルを開いて確認しましょう。出典、日付、キーワード、クリップしたテキストの順に保存されていたら成功です(下図参照)。

上の例では、私の去年の学会でのランチョンセミナーの講演動画がでているYouTubeのページにあるテキストをクリップしたテキストの後に、今しがたクリップした論文のテキストが追加されています。N型糖鎖、先天性グリコシル化異常症などとあるのは、さきほどつけたキーワードです。その下にクリップしたテキストが保存されているのがわかります。

このように、ちょっと気になったテキストを、どんどんクリップして蓄積しておき、あとで秀丸エディタなどのテキストエディタのgrep検索機能で検索します。grep機能についているタグジャンプ機能を使えば該当するクリップしたテキスト全文のある場所に容易にジャンプすることができます。テキストファイルのサイズが大きくなってきたら、Tc_text.textファイルの名称をTc_text1.txtなどすきな名前に変更します。次にclipfileツールでクリップしたら、自動的にまっさらなTc_txt.txtファイルができてそこに保存されますので、またゼロからクリップがはじめられます。

こうしてできた大量のクリップファイルを一斉に grep検索したら何年にもわたって蓄積したデータを一瞬で検索できて便利です。データはテキストファイルですので、加工も活用もきわめて簡単です。英語論文の例文集の作成、アイデアメモの作成などいろいろな用途につかえるすばらしいツールですので是非活用してみてください。

写真は福岡で撮影したイチョウです。とてもきれいに黄葉しています。秋も深まってきました。